せとうち島旅ガイド(瀬戸芸公式ツアーガイド) – 瀬戸内国際芸術祭2019のオフィシャルガイドを終えて感じたこと –

2019/11/11

⬛︎2019/11/4に瀬戸内国際芸術祭は、閉幕した。今回は、過去最多の117万人の来場者があったと発表された。

要因としては、外国メディアで取り上げられ外国人来場者が増えたこと、また、春会期を10連休に合わせて開始、夏会期を前回より短縮し、秋会期を長くするなど来やすい日程にしたこと、などが挙げられていた。

瀬戸芸2019が閉幕し思うことは、オフィシャルツアー中に重大な事故などもなく無事に、公式ガイドとしての任務を果たせたことは、周りのスタッフの方々の尽力、参加者の方々の協力があってこその結果であって、この感謝の念は筆舌に尽くしがたく、いくら感謝してもしきれない。

思い起こせば、2018年9月の香川せとうち地域通訳案内士の研修参加時の2018年10月に、こえびネットワークのガイドの方から、せとうち島旅ガイド認定研修の説明をお聞きしたのが始まりだった。その後、北川フラムさんや安藤忠雄さんにお会いし、現代アートを通した島おこしプロジェクトの活動内部に賛同し、地域活性化に繋がる瀬戸内国際芸術祭の公式ガイドとして活動してみようかと思い立った。そこから、認定研修、認定試験を終え瀬戸芸の公式ガイドに認定されたのが、つい昨日のことのように思い出される。

瀬戸内国際芸術祭の公式ガイドに認定されてからも、オフィシャルツアーの全コースを実務研修して廻り、初めて訪れる島々の美しさに毎回、感動していたことも忘れ難い思い出だ。

香川に住んでいても、他の多くの香川県人と同じく、大島や豊島、犬島、高見島、伊吹島、粟島、本島などを訪れたことはなかったが、新たに知る瀬戸内の島々の魅力に取り憑かれるほど、その歴史、伝統文化、雰囲気に惹かれていった。

男木島と女木島のように目と鼻の先にある島でさえも歴史、伝統、雰囲気、全てが違っており、ひとつとして同じ島はない。

各島の土壌は、何層にも積み重ねられた、その島で生きてきた人たちの記憶だ。その島で起こってきたことの記憶を持っており、それらの島が持っている記憶が雰囲気の違いとしても現れてくる。

この感じは、実際に、いろいろな島を訪れて自分で体験してみないと分からない。

島の雰囲気の違いは、国立ハンセン病療養所がある大島では顕著に表れる。

瀬戸内国際芸術祭のテーマは、海の復権 で、ごく簡単に言うと、現代アートを通した島興し、島の活性化ということだが、瀬戸内国際芸術祭の真の目的は、北川フラムさんが、事あるごとに話されているように、島に住むお年寄りの方々の笑顔を見ることだ。

長年、島の伝統文化、風習を守り続け、ご苦労されてきたお年寄りの方々が笑顔になるのを見たい、それが瀬戸芸の真の目的だ。

今、感じることは、この瀬戸芸の真の目的は、会場となった全ての島のお年寄りを対象にしているが、特に、大島の国立ハンセン病療養所の入所者の方々の笑顔が見ることが、大きな目的なんだなと強く感じている。

瀬戸内国際芸術祭2019会期中に、安倍首相が、国の責任を認めた熊本地裁判決の受け入れを表明し、「深く深くおわび申し上げます」とハンセン病の元患者の方々に頭を下げるニュースが流れた。

これまで筆舌に尽くしがたいご苦労を経験されてきた方々に対してやっと国が責任を認めたことは、あまりにも遅すぎるが、これで少しでも元患者の方々やご家族の方々の心の安らぎにつながればと強く思う。

ハンセン病に関しては、下記のQ&Aがよくまとめられ分かりやすい。特にQ12のハンセン病が治る病気だとわかっても、なぜすぐに、らい予防法が廃止されなかったのですか?という質問に対する答えはよく読むべき内容だ! また、元患者である平沢安保治さんの講演は、Youtube動画で見れるので是非見て頂きたい。

http://www.hansen-dis.jp/kids/qa.html

この瀬戸芸の活動がなければ、私は大島の青松園へ行くこともなかっただろうし、ハンセン病について考えることもなかっただろう。

海外の方も含めオフィシャルツアーに参加された方々に大島をどう説明するか、ハンセン病について質問されたら何と答えるか、台湾の友人に相談したり、悩んだこともあった。

このようなことは、日常の生活の中では、あまり深く考えないことかもしれないが、この公式ガイドの仕事を通して、大島、そして、ハンセン病について考える機会を持てたことは何物にも変えがたい経験であり、今後もなんらかの形で、大島には関わっていきたいと思う。

最後に、今回の瀬戸内国際芸術祭で一番多く公式ガイドを担当した思い入れのある伊吹島にも何らかの形で関わっていきたい。

瀬戸内国際芸術祭が閉幕したあとの11月14日に伊吹島を訪れた。

栗林隆さんの 伊吹の樹 は、出部屋跡にあったが、門が閉められ入ることはできなかった。管理の問題等があるとは思うが、常設展示になれば、芸術祭の会期外でも伊吹島を訪れる人が増えるだろう。

本当に素晴らしい作品だと思う。また、伊吹漁業協同組合で購入できるホンモノの伊吹いりこは、今後も買い続けるだろう。

いりこの話しをしだしたら止まらないのでこの辺でやめておくが、伊吹漁業協同組合と書かれたパッケージのいりこが、本当の伊吹いりこ だと言うことは何度強調してもしすぎることはない!

⬛︎ハンセン病訴訟に関するニュース記事。

国は、控訴せず、家族被害、国の賠償確定へ。

🟣ハンセン病訴訟、控訴せず 家族被害、国の賠償確定へ

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.sankei.com/life/amp/190709/lif1907090007-a.html%3Fusqp%3Dmq331AQNKAGYAffI_J-Fk724Sw%253D%253D

🟣安倍首相「深く深くお詫び」 ハンセン病患者家族と面会:朝日新聞デジタル

https://www.asahi.com/sp/articles/ASM7S2V7VM7SUTIL002.html

写真・図版

⬛️瀬戸内国際芸術祭出展作品の製作サポートに参加

2019年、台湾のワンウェンチーさんと小豆島にて。作品製作に参加

2019年、村田のぞみさんと高見島にて

2019年、五十嵐靖昇さんと櫃石島にて。そらあみ の作品製作参加者参加

2019年、淀川テクニックさんと宇野港にて。作品製作に参加

高見島にて、山田愛さんの「内在するモノたちへ」の製作サポートに参加


🟣瀬戸内国際芸術祭オフィシャルツアー中のショット

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↑宇野港にて。エコアートの奇才 淀川テクニックさんの真庭のシシ。この何とも言えないシシの絶妙な表情は、目がポイント。この目は、鍋のフタで作られている 笑

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↑宇野港にて。淀川テクニックさんの宇野のチヌ。晴れた日には下方から写真を撮るとチヌが大海を泳いでいるような写真が撮れる。

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↑伊吹島の出部屋跡にて。栗林隆さんの伊吹の樹

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↑瀬戸内国際芸術祭オフィシャルツアーのチャーター船内にて、瀬戸内海の島々を説明

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↑本島にて。五十嵐靖昇さんのそらあみが、瀬戸内ブルーに映える。

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↑本島にて。そらあみ製作参加者ボードに自分の名前を発見 笑

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↑犬島にて。家プロジェクトのひとつ、ベアトリス・ミリャーゼスさんのYellow Flower Dream

🟣2019年春、瀬戸内国際芸術祭2019のPRに高松に来られていた安藤忠雄さんにお会いできた!

2019年春、安藤忠雄さんに、サインと「光の教会」を書いて頂いた。

安藤忠雄さんは、お会いする前は、クールでエリート的などこか冷たい感じのイメージを持っていたが、お会いすると全く正反対、明るく、気さくな大阪の下町の気のいい、めちゃくちゃ面白い おっちゃん(失礼)だった 笑笑😃

食べるためにボクサーをやっていたり、大学にはいっておらず独学で建築士一級の資格を取得して、独立した叩き上げの苦労人だった。話しもめちゃくちゃ面白く終始笑っていた。

人を惹きつける魅力がとてつもない。世界中から設計のオファーが殺到するのも理解できる。挑戦し続ける姿に人は感動する! そこに国境などない。 最後は人間性だ!

安藤忠雄さんにお会いして以来、安藤さんの大ファンになり、安藤忠雄さん設計の兵庫県立美術館、住吉の長屋、神戸市垂水区の4×4の家、大阪市北区の子どもの本の森、淡路島の淡路夢舞台、高松市の四国村ギャラリー、直島にある地中美術館、ANDO MUSEUM、南寺、高松商店街にあるオリーブホールが入っているサンプレイスや無印良品が入っているSTEPビルなどを訪れた。

また、安藤忠雄さんが、出ている動画を全て見たり、今度は、大阪の茨木市にある 光の教会 に予約を取って行こうと思っていた矢先、コロナ禍となって、非常に残念だ。必ず光の教会には訪れたいと思う!






🟣瀬戸内国際芸術祭2019 オフィシャルツアーガイドに関する記事

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