■AI時代の学習環境:
英語や中国語の発音練習としてiPhoneのSiriの設定を英語、中国語に変換して試してみた。
英語は、アメリカ英語、イギリス英語、インド英語、シンガポール英語、オーストラリア英語などが選択できる。
中国語は、北京語、台湾語、広東語などが選択できる。
また、音声も男性と女性の声が選択できる。
この練習は、自分の発音が通じるかどうかのひとつの判断材料になる。
加えて簡単な会話練習にもなる。
世の中には、言語習得用のアプリも非常に多くなってきた。
英文法、単語、英文読解などは、説明が分かりやすく実績のある講師の動画を見ればいつでも、どこでもスマホがあれば独学できる。
TOEICの資格勉強はスタディ・サプリで事足りる。
このようなAIがどんどん進化していく学習環境の中、今後の英語講師の役割、そして差別化が問われる。
■これからの英語講師の役割、差別化:
英会話学校は、安価で時間的に融通の利きやすいオンライン英会話にとって代っている。
英会話は、例えば、FacebookなどのSNSを通して知り合ったネイティブとスカイプやLineを通してLanguage Exchangeをすれば、無料で学べる。
受験予備校や資格学校も、実績のある有名講師の授業動画をネット配信すれば、学習者はいつでも、どこでも、自分のペースで授業を受けることができる。
2017年以降、Googleの自動翻訳機能は以前と比べて性能が上がった。口語文や日本語の助詞の使い方にはまだ難があるが、大学の論文でも翻訳できるレベルになってきた。
また語学学習用アプリも今後、ますます進化していくだろう。
このようなAIが進化していく時代において、何かを教えるという観点で見た場合、英語講師の役割はどうなるのか? そして今後の生き残りをかけた差別化はどうすればよいのか?
まず、AIが出来ないことは何なのか?
人間はどう生きるべきなのかなどの哲学を教えることはできない。
芸術のように何かクリエイティブなものを創造すること
0から1を生み出すこと
心の動きを読むこと、空気を読むこと
楽器の演奏や柔道を習うなど実技を伴うこと
これらはAIでは出来ないことだ。
逆に言えば、AIでは実現できないところに、英語講師としての今後の役割や差別化のヒントが隠されているのではないか?
たとえば、
学習につまずいた時やスランプの時など生徒の雰囲気や心の状態を考慮したアドバイス
人間が持つ情熱や暖かさが伝わる教え方
生徒の精神状態を理解して、やる気、モチベーションを上げていけるコーチ的な役割
こんな人になりたいという人間的魅力、カリスマ性、人間性
プロジェクト・マネジメント力、リーダーシップ
プレゼンテーション力
こんな中に英語講師としての役割と差別化していくヒントがあるように思える。