⬛️せとうち島旅ガイド – 香川県観音寺市 伊吹島訪問、日本一の伊吹いりこ、そして出部屋とは? –

⬛️香川県観音寺市の沖合いにある伊吹島は、有人島では香川県の西端となる。

●伊吹いりこ:

カタクチイワシの漁が伊吹島周辺で行われている。 その漁は、パッチ網漁と呼ばれカタクチイワシにできるだけストレスをかけないように丁寧に獲る。漁場と加工工場が近いため、陸揚げされてから煮沸、乾燥、選別、出荷までスピーディーに一貫生産加工される。

真浦港にある漁業協同組合で販売されている伊吹島いりこを購入して味噌汁の出汁に使って食したが、いりこの香りが映え上品で深い味わいがあった。簡単に言えば、びっくりするくらい美味かった。

伊吹いりこは、美智子皇后とも深い親交がある料理研究家の辰巳芳子さんが実際に伊吹島に訪れ、その良さを紹介するほど贔屓にしている。

伊吹いりこは、讃岐うどんの出汁としても使われている。

⚫伊吹産院跡 出部屋:

この伊吹島には、出部屋(伊吹産院)跡地と呼ばれる場所がある。

お産を家の納戸で終えた女性たちが1ヶ月間、新生児と別火の生活をしていた共同産室があったところだ。

子どもを島全体で大切に育てている伊吹島の子育ての原点がここにある。

昭和45年までこの習慣は続いた。出部屋は男子禁制、夫も訪れることができなかったようだ。

出産はかつて赤不浄と呼ばれ、血を見ると不漁になるとも考えられた。そのため、出産を終えた女性が家を離れ、別小屋で産後の約1カ月を集団で暮らしたのが出部屋の始まりのようだ。

今は、出部屋跡地が残るのみであるが、この場所は、見晴らしも素晴らしく風通しも良い。清々しくなる。かつて島の宝である新生児を見守ってきた神聖な場所だ。良い気が流れている。目を瞑ってこの場所に立つと赤ちゃんをあやす母親たちの幸せそうな姿と笑い声が脳裏をよぎった。この土地が持つ記憶の一片が同調して自分の頭の中に飛び込んできたようだった。

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この伊吹島という島は、太古の昔から神々が宿る島であり、そして神々に守られている。島の人たちもそのことを意識するしないに関わらず感覚的に知っており、これからも古の昔から受け継がれてきた島の宗教的儀式は続けられていくだろう。

出部屋跡地。2019年3月8日は天候も良く、暖かかった。土中で蠢く虫たちも顔を出してきた。春の息吹を感じた。
出部屋跡地から望む北浦港。何百年も昔から昭和の時代まで、この素晴らしい景色を見ながら乳児の世話をしたのだろう。
伊吹島の北浦港。いりこ工場とテトラポット。何か悩み事がある人は晴れの日に、ここに来てこの景色を見ると良い。何とかなると思えてくる清々しい場所だ。

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