一番確実な英語やり直し法 No.2

2.目標設定:


The tragedy in life doesn’t lie in not reaching your goal. The tragedy lies in having no goal to reach.
「人生における悲劇は、ゴールに到達できないことではない。 ゴールをもたないことである。」  Benjamin Mays


If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today? And whenever the answer has been “no” for too many days in a row, I know I need to change something.

「もし今日が人生最後の日であるとしたら、今日やろうとしている事は本当に自分がやりたいことなのか?」 「この問いに対する答えが、Noである日が何日も続くと、何かを変える必要があることを自覚する。」  スティーブ・ジョブズ

Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.
「明日死んでしまうかのように生きろ。永遠に生きるかのように学べ。」  Mahatma Gandhi


英語の技能面を向上させるための自分に最も適した方法論の確立と目標達成のためにモチベーションを維持し続けるメンタル面の管理は車の両輪であることが理解できたでしょうか。

では、まず学習の過程でモチベーションの維持に直結してくる目標設定の仕方から説明しましょう。

まずはご自身で下記の各質問に対する自分なりの考えを実際に紙に書いてください。

もう一度繰り返します。心の中にイメージするのではなく実際に紙に書いてください。

自分の考え(心の中身)は見えません。 見えないものは書かないと自分自身でも具体的に理解できません。 自分の「心の中身」を書くことによって文字で表現してください。そして書いた内容はいつも見えるところに貼っておくことと縮小コピーをとっていつも持ち歩くことを忘れないでください。

質問:
(1) あなたはなぜ英語を習得したいのですか?

(2) あなたはどのレベルまで達したいですか? その期限はいつまでですか?

(3) 自分が望むレベルに既に達したと仮定して、そのときの自分自身のイメージを書いてください。

(4) 自分が望むレベルに達したときに得られる利益は何ですか? 物質面、精神面の両方について書いてください。

(5) 英語を習得するために代償として何を犠牲にできますか?

(6) あなたが望む英語力の習得を実現しました。実現後の自分自身のイメージについて書いてください。

書けたでしょうか? 上記の質問内容は簡潔に書くと以下のようになります。

(1) ビジョン(目的)

(2) 期限付き目標設定

(3) 目標達成時の自己イメージ

(4) 目標達成により得られる利益(物質面、精神面)

(5) 目標達成の為の代償

(6) 目標達成後のイメージ、展望

それでは次に、個々の項目について具体例を挙げながらポイントとなる点を説明していきます。

この詳細説明を参考にして最初に書いた回答を修正したり、気付いたことを書き加えてください。

(1) ビジョン(目的): 「目線の高さで人生は決まる」



Not failure, but low aim, is crime.


「失敗ではなく、低い目標こそ罪だ。」 James Russell Lowell (19世紀後半のアメリカ文壇の大御所的存在。 ハーバード大学教授、詩人、文芸評論家)


あなたが英語をマスターしたいと思った目的は何ですか?

ビジョン(目的)の明確化は、今後の学習過程においてモチベーションの維持に直結し、スランプ時のよりどころとなってきますので非常に重要です。

本当にやりたい事ですか? 好きなことですか? どの点が好きですか? 他人との比較ではなく自分自身の心が喜びを感じる事ですか?

少々大げさかもしれませんが理想的には、本能に根ざしたもの、自分の人生でのミッション(使命)であることが望ましく、そのほうが目標達成までの強い原動力となります。

「心の叫び」、分かりやすくいうと、幼少時から(金銭的な対価を抜きにして)やりたいと憧れてきたこと、どうしてもこれをやらずには死ねないということ、このままやらずにいれば後悔すること、あと3ヵ月後に死ぬとすればやっておきたいこと、現時点で働かなくても(現在保有している金融資産と不労所得で食べていけるとしても)やりたいことなどがあげられます。

また、ビジョンは育つものですから軌道修正もときには必要です。

<ビジョンの一例>
アメリカで働いて成功するという幼少時からの夢を実現する(自己実現)。現在の業務を通して身に付けた専門知識に英語力をプラスしアメリカ西海岸に赴任する。最終的にはアメリカで永住権を獲得し経済的にも、精神的にも豊かに暮らす。

(2) 期限付き目標設定: 

ビジョンをより具体化するための目標を設定しましょう。
どのように具体的に目標設定をするべきでしょうか?

ここではひとつの例としてSMARTの原則に沿った目標設定をしてみましょう。

目標設定のSMART原則とは下記ような項目の頭文字です。自分の目標に照らし合わせて各項目を再チェックしてみてください。

・Specific              (具体的か) 5W1Hは明確か。

・Measurable   (測定可能か) 目標に向かっての進歩が測定可能。

・Agreed upon  (同意しているか) 自分自身が心から同意済みか。

・Realistic     (現実的か) 実現可能な目標か。

・Time-bound   (時間的に制約されているか) 目標達成の期限は明確か。

ここで、特に注意すべき点は3点あります。

1点目は、目標達成時から逆算して現時点からの短期、中期、長期目標を立てることです。

つまり目標達成時期をまず設定し、現時点から最終目標達成までに必要な期限付きの目標を立てることです。

2点目は、すべての目標を数値化することです。 以前、カルロス・ゴーン氏は「数値化できない目標は『実行できない』とイコール」と語っていましたが、実際に目標を数値化することにより目標達成度が明確化、測定化しやすくなりモチベーションの維持に直結してきます。

3点目は目標のまとを絞ることです。 重要なことに焦点を合わせることです。「80対20の法則」というのを聞いたことがありますか?

イタリアの経済学者・社会学者、ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)が、欧州各国や米国の統計データに基づいて統計的に所得配分の研究を行い、1896年にローザンヌ大学の論文集に成果を発表したものです。

簡単にいうと「原因のほんの一部が結果の大部分を決定する。どんな現象でもその大半のものは、ごく少数の要因で説明できる、あるいは引き起こされる。」という法則です。

例を挙げます。

・ 売上の80%は、全商品の20%が作る。

・ 売上の80%は、全顧客の20%によるものである。

・ 世界の富の80%は、20%の者によって支配されている。

・ 売上の80%は、全従業員の20%の者によるものである。

・品質不良全体の80%は、20%の原因に由来する。

この法則に照らし合わせますと、「目標達成から得られる結果や報酬の80%は、それを生み出すための20%の要因(努力、時間など)から生まれる」といえます。つまり20%の重要なことに焦点を絞らないと80%の努力や時間はほとんど報われない結果となってしまう可能性があります。

「First things first.」 目標達成の為に費やせる時間、お金、労力は限られています。最小限の投資で最大限の成果を生み出すために最も重要なことからはじめて下さい。

<期限付き目標設定の一例>
海外赴任した際に困らない英語力が必要。
ビジネスの現場において英語でのプレゼン/質疑応答ができ、通訳を通さずに客先と交渉可能な通訳検定2級レベルの英語力を身につける。

まずは、海外出向者要員に選抜されるよう20XX年X月までにTOEIC:800点以上を取得する。その為に、来週からTOEIC得点アップの為の専門学校に週2回通う。

第一優先事項として、海外出向者要員に選ばれるためのTOEIC得点アップにまとを絞る。

長期目標:2020年3月に米国のシリコンバレーに出向する。

中期目標:2018年4月~2019年3月までに、海外出向者要員に選抜されるためにTOEICで800点以上取得する。現時点から隔月で実施されるTOEICを12月まで毎回受験する。

短期目標:9月に650点以上取得することを目標とする。

(3) 目標達成時の自己イメージ: ― Visualization -

ひとは頭の中でイメージできないことは実現しにくくなっています。ひとは自分が普段潜在意識の中で考えているようなひとになっていきます。逆にいいますと具体的に臨場感あふれるイメージを描けることは実現しやすいのです。また、普段から潜在意識の中で高いセルフ・イメージをもっているとそのイメージに近づくような行動が伴ってきます。

目標達成をより早く実現するために具体的に自己イメージを文章だけでなく絵に描いたり写真を撮ったり、目標達成に関係のある写真を収集したりすると更に効果的です。

すでに目標を達成したと仮定して過去完了形で、目標を達成した自分の姿、そのときの表情、服装、周りの状況を頭の中だけで描くのではなく絵や写真を使ってイメージを膨らませていきましょう。

また、TOEICの得点アップが目標の場合、過去に受け取った成績表のコピーをとり、修正ペンで過去の点数を消し自分の目標点、目標点数達成時期を書き込み、いつも見えるところに貼っておいたり、縮小コピーをとっていつも持ち歩くのも達成イメージが映像を通して脳に刷り込まれますので効果的です。

また、夢絵日記を書くのも効果的です。自分の夢、達成したいこと、実現したいことを文章とカラーの絵で日記に書く。それをボーっとしているときに眺めるのもいいでしょう。

さらには、自分のことを心から応援してくれるひとに自分の目標を宣言し、内容を伝える(Vocalization)。 言葉で目標を説明しているときに、よりよい考えが浮かんだり、自分自身への目標達成の意志確認にもなります。

<目標達成時の自己イメージの例>
米国シリコンバレーにある海外支社に2019年4月から赴任し、現地スタッフと共に働いている。ネイビーブルーのポロシャツを着て活き活きとした表情で周りの現地スタッフと英語で会話しながら働いている姿。(この現地支社に出張で訪れた際にオフィスの中で実際に働いている自分の姿を写真に撮っていつでも見れるように壁にはっておく。)

(4)目標達成により得られる利益(物質面、精神面):

目標を達成することにより得られるものは何ですか? 物質面と精神面のどちらがかけても本当の意味で自分の心は満足しません。 これらは目標達成までのモチベーション維持に繋がります。

<具体例>
物質面:給与アップ(役職手当+海外赴任手当て:?円)。 精神面:自己実現を果たしたという精神的満足感。

(5)目標達成の為の代償:

「目標を達成するために何を犠牲にできますか?」といっても何も大げさに考えることはありません。

例えば、同僚と飲みに行く回数を週3回から2回に減らしてういた時間と費用を英語の勉強に当てるとか小さいな事からはじめてみましょう。

英語学習にさく時間とお金と労力(自己投資費用、対費用効率)。
お金は身銭をきるほうが投資分のリターンを得ようとする意志が働くため、より真剣に学びことになり、いい成果につながります。

自分の楽しみを削ってまで目標達成に邁進できないというひとであれば、例えば一日のうちに生じる細切れ時間を活用するのもひとつの案でしょう。

<具体例>
― 何もせずにボーっとすごしていた時間(一日合計約35分)

― 暇つぶしに見ていたテレビのバラエティー番組(一日約1時間)

― 友人、知人、客先との待ち合わせ時間までの空き時間(一日約15分)

― 通勤、通学バス、列車がくるまでの待ち時間(一日約10分)

― 通勤、通学時間(一日約一時間)

このような細切れ時間を集計するとこの例では、一日約3時間と結構な時間になります。 この3時間を英語学習にあてたとするとどうなるでしょう。

― 何もせずにボーっと過ごしていた時間(一日合計約35分)

=> TOEIC頻出単語覚える。英単語1個1分で覚えるとして35個。 一ヶ月では、35個/日 X 30日で1,050個/月。

― 暇つぶしに見ていたテレビのバラエティー番組(一日約1時間)

=> TOEIC模擬問題集を解く。一ヶ月では、一日一時間 X 30日で30時間。

― 友人、知人、客先との待ち合わせ時間までの空き時間(一日約15分)

=> TOEICリーディングセクションの文法・語法問題を解く。 一問1分で解くとして一日15問。  一ヶ月では、15問/日 X 30日で450問/月。

― 通勤、通学バス、列車がくるまでの待ち時間(一日約10分)

=>TOEICリーディングセクションの長文問題を解く。 一問5分で解くとして一日2問。  一ヶ月では、2問/日 X 30日で60問/月。

― 通勤、通学時間(一日約一時間)

=>TOEICリスニングセクションの問題を解く。

(6)目標達成後のイメージ: 

ひとつの目標を達成したときが次の目標のスタート地点です。
ひとつの目標を達成したときから次に行動すべき課題が見えてきます。

特に資格は取得した時点がスタート時点であって、その資格をどう活かしていくかのほうが重要です。 せっかく取得してもその資格を活かせなければ「宝の持ち腐れ」となってしまいます。

<例>
米国の現地支社においてビジネスの実践を通して更に英語力を磨いている。 現地人スタッフに日本語と専門知識を教えている。 専門知識と英語力を磨いた結果、成果が上がり業界においても名前が売れてきた。 マネジメント能力も認められてヘッドハンターから好条件での誘いがあるが、現地で知り合ったパートナーと共同経営で会社を起業するため、奔走している。

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