最終更新日: 2022/6/10
🟣スペル星人が登場する『ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」は欠番扱いとなっており封印されている。
1967年12月17日、第12話の初回本放送が行われたが、1970年以降、日本国内では一切再放送されていないと同時に、映像ソフトにも収録されていない。
Youtubeで探したところ、下記の海外向けの英語吹き替え版の第12話を部分的ではあるが見ることができる。
🟣2020/9/21追加。第12話の英語吹き替え版動画。スペル星人とウルトラセブンの戦いも見れる↓ この動画はいつまで見れるかはわからない。
幻の欠番 ウルトラセブン 第12話、封印の原因となったスペル星人が登場する「遊星より愛をこめて」のニコニコ動画。 日本語版のフルバージョンを初めて観た! 問題となったスペル星人は皮膚感が少々グロテスクな気もする!
🟣ニコニコ動画の第12話、「遊星より愛を込めて」 こちらは日本語フルバージョン↓
この動画はいつまで見れるかはわからない。幻の欠番 ウルトラセブン 第12話、封印の原因となったスペル星人が登場する「遊星より愛をこめて」のニコニコ動画。
日本語版のフルバージョンを初めて観た! 問題となったスペル星人は皮膚感が少々グロテスクな気もするが、、、。
https://sp.nicovideo.jp/watch/sm40830014?ref=sp_video_watch_related_videos
https://sp.nicovideo.jp/watch/sm31651106
●第12話の内容は?
宇宙のどこかで大爆発が起きた。ウルトラホーク2号で宇宙パトロール中だったソガ隊員とアマギ隊員は、大爆発による放射能を検出する。
一方、東京では若い女性が突然昏倒し、やがて死亡する事件が多発する。分析の結果、彼女たちは白血球が急に欠乏する「原爆病」に似た症状を発していたうえ、地球に存在しない金属でできたメーカー名もネームもない謎の腕時計を所持していた。
2つの「線」は、やがてアンヌの旧友・山辺早苗と彼女の恋人・佐竹三郎で交差する。佐竹が早苗に贈った腕時計には、人間の血液を奪う機能があった。そして、佐竹は地球人の血液を奪いに来たという本性を現し、スペル星人の放射能に冒された異形の姿をさらけ出す。
スペル星人は腕時計に偽装したメカで血液を収集するが、被害者は白血球が皆無に近くなり昏倒、ダンは「原爆病によく似た症状」という台詞がある。なお、作中ではセブンの出自がM78星雲であることが初めて言及される。
●放送当時の作品の評価は?
本編は監督 実相寺昭雄、脚本 佐々木守のコンビにより制作され、本放送では32.8%と全49話中第4位の高視聴率をマークした。しかし、本放送時は抗議などは一切なく、再放送も同様であった。
🟣スペル星人の画像を集めた動画
🟣スペル星人とは?
●スペル星人(スペルせいじん)は、特撮テレビ番組『ウルトラセブン』に登場する、架空の宇宙人である。別名「吸血宇宙人(きゅうけつうちゅうじん)」。
●第12話「遊星より愛をこめて」に登場。
- 身長:1.7メートル – 40メートル
- 体重:100キログラム – 1万トン
- 能力:マッハ20で大空を自由に飛ぶことができる
- 目から怪光(破壊光線)を発する
- 出身地:スペル星
- スーツアクター:中村晴吉
🟣原爆被爆者団体からの抗議により封印された第12話
●1967年12月17日 ウルトラセブン 第12話の初回本放送が行われた。その後、1970年までは特に問題はなかった。
●問題の発端となったカード
(以下、Wikipediaより)
1970年10月4日 上記のカードを見た女子中学生が、フリージャーナリストであり東京都原爆被害者団体協議会の専門委員でもあった父・中島龍興(筆名・中島竜美)に相談、カードに記載された「ひばく」の文言を問題視した中島は『小学二年生』の編集長に抗議の手紙を送った。中島がこの件を所属していた市民サークル「原爆文献を読む会」のメンバーに話したところ、メンバーは知り合いの朝日新聞の記者にこの問題を伝えた。
1970年10月10日 朝日新聞に『被爆者の怪獣マンガ』『「残酷」と中学生が指摘』 などの見出しとともに「実際に被爆した人たちがからだにケロイドをもっているからといって、怪獣扱いされたのではたまらないと思った」との中島の長女の感想、「現実に生存している被爆者をどう考えているのか、子供たちの質問にどう答えるのか」との中島の抗議文と「同社(小学館)からの返事はまだない」などの記事が、小学館・円谷プロ両社からの正式なコメントがない中で掲載された。
- 抗議運動は短期間のうちに広島・長崎の被団協などにも拡大した。他の新聞社なども同様に抗議団体の主張のみを大きく取り上げた記事を記載したため、抗議行動は全国的規模に拡がった。
- この後 中島は直接小学館を訪れ、当時『小学二年生』の編集長だった井川浩を相手に「机をバンバンたたく激しい抗議」を行なったとされるが、中島は後のインタビューで「当時 被爆者の差別が多くなっていた」と抗議の背景にふれた上で「相当頭にきたんでしょうね。カードしか見ていないのに抗議というわけですから」「僕の抗議は二次使用(であるカードのみ)を問題にしたということ でもそれが広がってしまって、放送そのものへの抗議に発展しちゃったんです はずみがついて運動がもりあがってしまった」「カードがなければ抗議はしなかったと思う 放送したTBSに抗議はしていない」「番組を見ずに抗議したのは大きな問題だった」「記事は少しオーバーと思ったが、直接抗議に行った」 「私の投書が結果的に第12話を封印させてしまった 表現の自由を潰してしまったという思いがある 簡単に存在をなくすことは怖いことだ」などのコメントを残している。
- 抗議を受けた井川は、後のインタビューで当時を振り返り出版元として「被害者への配慮が足りなかったと思い、紙面で謝罪した」 「被害者を怪獣扱いしたつもりはないので、被害者を怪獣扱いしたと報じた新聞にはこちらも抗議し、20紙以上が報道を詫びたが、朝日新聞は一切対応しなかった」 などのコメントを残している。
- 抗議を受けて竹内が作成した設定資料の「ケロイド」の文言は黒く塗りつぶされ「被爆星人」の別名は「吸血星人」に差し替えられた。
- 当時の円谷プロの状況を振り返り、竹内は「社長にまで及んだ抗議に社員は戸惑っていた 上司に頼まれ私はハサミでスペル星人の円盤のスチールネガを切った」、円谷プロで元特殊技術スタッフだった熊谷健は「被爆者を差別するといった気持ちはなかった。しかしケロイドにクレームがつき弁解できず」などのコメントを残している。
- カードに記載された別名の引用元となった『怪獣ウルトラ図鑑』の著者 大伴昌司は、円谷プロから「(スペル星人の)設定や特徴は、大伴が作ったんじゃないか、けしからん」と叱られ、一時ノイローゼになったらしい と当時出版社の人間から聞いたとの竹内博のコメントが残されている。第12話の封印後、大伴は竹内に対して一度もスペル星人について語ることはなかったという。
●1970年10月21日 朝日新聞の記事を皮切りに全国に拡大した抗議活動により『小学二年生11月号』だけでなく、カードと同様に「被爆星人」と記載のあった既刊の秋田書店 『怪獣ウルトラ図鑑』などにも矛先がむけられた円谷プロは発行元としての配慮不足について謝罪した。
被害者を怪獣扱いしたとの報道については「原水爆を否定する気持ちと全く変らない態度で製作したものであります」 「従いまして、一部の新聞が報じましたような被爆者を怪獣扱いしたとか、モデルにした等、そのような考えで製作したものでは毛頭ありません」と否定し、「今後一切、スペル星人に関する資料の提供を差し控える」と約束。小学館をはじめとする各出版社もスペル星人を扱わないことを取り決めた。あわせて再放送中の第12話の放送も急遽中止したことで、抗議は一旦収束した。
- しかしそのわずか半年後、本編の二次使用作品である『ウルトラファイト』の再放送でスペル星人が再登場したことで、円谷側は再び謝罪に追い込まれ、解決策として第12話の作品自体を封印することを決めた とされる。
- 封印ついては長く制作関係者や出演者に対しても伝えられることはなく、後のインタビューで佐々木守は「知ったのはずっと後。原爆実験はいけないということを子供たちにわかってほしいと思い書いたが、封印されて問題が大きくなり困った」、友里アンヌ役のひし美ゆり子は「封印したことを知らされなかった」、中島は「(インタビュアーの何が問題だったのかわからないという発言に対して)それが一番の問題、私はウルトラセブンの愛好者から加害者第一号として叫弾された 不明瞭な形で封印されたからそのようなリアクションが出る」など、封印の経緯説明の不足を指摘するコメントが残っている。
🟣ウルトラセブン最終回