【タブー】仮面ライダー アマゾンは子供向けとしてはグロテスク、主人公の悲哀さを描くも視聴率低下! 噛みつきや引っ掻き攻撃、切り裂き、血しぶきをあげる怪人、主人公は半裸など異色の作品!

◼️仮面ライダー アマゾンとは?

『仮面ライダーアマゾン』

1974年10月19日から1975年3月29日まで放送

NET系列

毎週土曜19時30分から20時(JST)

全24話

毎日放送・東映制作の特撮テレビドラマ作品、および作中で主人公が変身するヒーローの名称

🔸出演者

岡崎徹 アマゾン
小林昭二 立花藤兵衛
松田洋治 当時、天才子役と言われた。
松岡まりこ
中田博久

◼️概要

「仮面ライダーシリーズ」第4作として放送された本作品は、シリーズの中で最も異色の作品であるとされる。

「噛みつき」や「引っ掻き」といった野性味あふれる攻撃、切り裂かれて血しぶきを上げながら散っていく怪人など、シリーズでは異色の作品となっている。

生後まもなく南米アマゾンの奥地で遭難し、野獣の中で育ったがゆえに言葉もわからず、文明も理解できないまま日本に1人で放り出され、周囲の誤解に遭いながらも、ゲドンと孤独な戦いを続ける野生児の主人公「仮面ライダーアマゾン」ことアマゾン / 山本大介の悲哀を描いたハードなドラマも魅力だった。

悪の組織ゲドンが尖兵とする獣人は、動物や昆虫の特性を直截的に取り込んだ造形となっており、人間よりも獣の要素が色濃い。

ゲドンの獣人は食料となる人間を片っ端から誘拐してはその生き血を抜き取って殺していき、その遺体を食肉として保存する。

しかし、その怪奇性とヒーローの孤独を中心に据えた作品展開が仇となって子供たちに敬遠されてしまい、当初は好調だった視聴率が徐々に低迷してきた。

そのため、第6話でモグラ獣人がアマゾンの仲間になってから大きな方向転換を余儀なくされ、低年齢向けの作風へ変化して視聴率の回復が図られた。

そのための強化策は、以下の3点が挙げられる。

アマゾンがキックやパンチといった、従来の仮面ライダー同様のアクションを多用するようになる。

岡村まさひこ、岡村りつ子、立花藤兵衛といった仲間たちのサポートを受けて戦う。

明朗な痛快活劇を基本とした平板な展開が中心となり、モグラ獣人を中心としたコミカルな要素も加わる。

低年齢向けを目指した路線変更は、第14話でゲドン壊滅と共にガランダー帝国が登場してからさらに加速していくこととなる。

古代インカ帝国の秘宝と、その秘密のカギであるギギの腕輪をアマゾンから奪うことを作戦の中心に据えたゲドンとは異なり、ガランダー帝国はインカの秘宝よりも世界征服作戦を優先させていく。

その結果、従来の悪の組織ではあまり例のない規模の都市破壊をはじめとする大掛かりな作戦を次々と行うガランダー帝国と、それを阻止していくアマゾンの活躍がダイナミックかつテンポよく描かれるようになった。

前作から引き続いて藤兵衛が登場しており、設定上は前3作品とつながっているが、歴代ライダーが客演することはなかった。

雑誌『テレビマガジン』では、6人の仮面ライダーが集合するグラビアが掲載された。

◼️第一話

アマゾンがバナナを盗んで食べるシーンなどもある。

◼️第ニ話

◼️エピソード

主人公・アマゾン役の岡崎徹は、オーディションではなく渡邊亮徳の意向で選ばれた。

岡崎は撮影に際してのオートバイ訓練で「今までのライダー俳優の中でも抜群」と評されるほど運動に長けていたが、初秋から冬にかけての撮影期間を半裸で過ごさなければならない設定には「寒かった」「背中にウブ毛は生えてきちゃうし、どうなるかと思った」と辟易気味だった。

また、子役の松田には助けられ、とにかくかわいい子という印象の彼の方が役者として一枚も二枚も上手だったことを、後年のBD-BOX発売時のインタビューで述懐している。

まさひこ役の松田洋治は、すでに天才子役と評されて活躍中だった撮影当時、小学1年生で俳優として仕事中という気持ちと、一視聴者としてほかの子供たちより先に内容などを知る優越感の間を、行ったり来たりしていたという。

平山亨は、半裸なのは「3、4話くらいまで」として途中からスーツを着せるという約束を岡崎としていたが、毎日放送映画部部長・庄野至が「そのまんまいきましょう」と半裸を推したことから続行となり、岡崎は後の『仮面ライダーストロンガー』打ち上げ時に「私は平山プロデューサーにダマされました」と皮肉った。

もっとも岡崎としては冗談のつもりで言ったので、30年ほど経った後に再会した平山から約束の不履行を謝られたときは、その心遣いに感動したと述べている。