【タブー】封印作品「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」とは? 主役の白猿ハヌマーンとは? 円谷プロとタイのチャイヨー・プロの権利関係は?

🟣『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』とは?

『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』(タイ語原題:หนุมาน พบ 7 ยอดมนุษย์=Hanuman pob Jed Yodmanud)は、1974年に制作された円谷プロダクション、チャイヨー・プロダクション合作の劇場映画。

1979年3月17日に松竹洋画系で公開された。

タイでは1974年11月29日に初公開された後、2001年には劇中音楽の差し替えや再アフレコを施し、リバイバル公開された。

🟣概要

仏像泥棒に殺害されたコチャン少年が、ウルトラの母の導きでインド神話に登場する白猿ハヌマーンとして復活し、ウルトラ6兄弟(ゾフィーからウルトラマンタロウまでの6人)とともにタイに出現した怪獣軍団と戦う。

日本版タイトルは「ウルトラ6兄弟」、ポスターも彼らが前面に出ているが、物語の主役はハヌマーンであり、ウルトラ6兄弟が参戦するのは終盤からである。

仏像泥棒が追いかけてきたコチャンを至近距離から射殺するという描写がある。

巨大化したハヌマーンが仏像を盗んだ強盗を追いかけ回し、「仏様を大切にしろ! 大切にしない奴は死ぬべきなんだ! さあ、殺してやるぞ!」と握り潰す。

水不足を解決するため、ハヌマーンが接近する太陽の神に直談判して遠ざける。

ハヌマーンが「卍」のポーズで飛行する。

など、当時の日本の子供向け特撮作品には過激な映像描写も含め、タイの文化を下地にして製作されている。

🟣主役の白猿ハヌマーンとは?

1万年以上前からタイの平和を守ってきた風神ラマヤーナの子で、風の女神サワハによって生み出された。

3人組の仏像泥棒に殺害された、勇気ある少年・コチャンにウルトラの母が白猿ハヌマーンの命を与えた。

両手を胸の前で合わせて祈ると変身する。

常に猿のように跳ねており、踊っているようにも見える。

ウルトラ6兄弟とともに、ゴモラ率いる怪獣軍団と戦った。

劇中ではタイ式ボクシングも披露している。

身長、体重は共に不明。

🟣作品の成立


1970年代半ばは、タイで日本の漫画やアニメ、そしてヒーローが人気を博していた。

本作は、タイのチャイヨープロの社長ソンポート=セーンドゥアンチャイ(ソンポート・センゲンチャイとも表記される)が、かつて日本の東宝撮影所に留学して円谷英二や円谷皐らと親交を深めていた縁で製作された。

原題は『ハヌマーンと7人のウルトラマン』となっており、ウルトラの母も含まれている。

これはタイ語では「6」の発音が「転ぶ」という単語と同じで、あまり縁起のよい数字と考えられていないため、縁起をかついで「7人」としているためである。

一方、『ファンタスティックコレクションNo.10 ウルトラマンII』(朝日ソノラマ・1978年発行)には、原題「白猿ハヌマーン&ウルトラ6兄弟」と記載されている。

円谷プロとの合作は『ジャンボーグA&ジャイアント』に続く2作目である。

また、本作の終了後は東映の仮面ライダーと共演した『ハヌマーンと5人の仮面ライダー』や、本作と『ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』の映像を組み合わせて再編集した『ハヌマーンと11人のウルトラマン』(英題:SPACE WARRIORS 2000)、『ジャンボーグA&ジャイアント』のフィルムを流用した『エリマケトカゲ一人旅(英語版)』も製作された。

インド神話に起源を発し、孫悟空のモデルともなった怪力で忠孝なハヌマーンは、タイの人気者である。

芝居などでもオチに困ると脈絡なくハヌマーンが登場し、その度に大喝采となる。

いわゆるデウス・エクス・マキナ、または日本の講談などでの加藤清正や源義経のような扱いである。

そういった経緯もあり、本作はハヌマーンがウルトラ戦士と共闘する娯楽作品となった。

BGMは『ウルトラセブン』からの流用が多いが、『ウルトラマンタロウ』からも流用されている。

制作当時は日本での公開は未定となっていたが、1970年代後半のウルトラブームを受け、急遽タイからネガを取り寄せて公開された。

一部地域では、『実相寺昭雄監督作品ウルトラマン』や『ウルトラマンレオ レオ兄弟対怪獣兄弟』と併映された。

しかし、本作の日本国内興業権の支払いに窮した円谷プロが、チャイヨープロに『ウルトラマンタロウ』以前のウルトラシリーズの海外使用権を譲渡する契約を交わす(チャイヨープロ側の主張)契機ともなった。

そのため、本契約を巡って裁判が起こり、日本ではビデオやDVDの発売、雑誌掲載が行われない状態にある。

🟣本作品の権利

2008年当初の時点では、チャイヨープロは本作品の著作権を主張しており、円谷プロはそれを否定も肯定もしていないとみられていたため、「合作」と主張する当事者はいなくなっていた。

日本の著作権法では両者の権利は消滅しないため、共同制作物のままである。

一方、タイにおいては2008年2月の最高裁判所の判決により、円谷プロのみが著作権を持つことで決着している。

それ以外の国では2008年12月24日にチャイヨープロからユーエム社へ利用権が譲渡されているが、1998年にチャイヨープロからバンダイへ利用権行使の権利が売却されていたことが2011年に発覚したため、それぞれの国の司法においてチャイヨーの権利が有効であったとしても、ユーエム社はバンダイの許可なく利用権を行使できないうえ、円谷プロの権利が有効であるならばユーエム社に利用権はない。

🟣ウルトラマン訴訟とは?

日本の円谷プロダクションとタイのチャイヨー・プロダクション(ソムポート・セーンドゥアンチャーイ社長)との間における、特撮ドラマ「ウルトラシリーズ」の日本国外における独占権に関する一連の訴訟。

円谷プロやチャイヨーの現地法人やそこからライセンスを受けた関連会社の他、チャイヨーから権利を買い取ったバンダイや、譲り受けたユーエム社、ユーエム社の中国代理店であるTIGAや、TIGAからライセンスを受けたという広州藍弧文化伝播(ブルーアーク)、ブルーアークが制作した映画の配給会社など、多数の企業や人員を巻き込み、およそ25年弱にわたる一大訴訟となった。

日本の最高裁判所における判決では円谷プロ側の敗訴となったが、それ以外の国においては事実上、2020年時点で円谷プロ側の完全勝訴となっている。

そもそも、日本国外における権利に関する争いであるため、日本国内における判決は実質的な効力が無く意味をなさない。

●概要

1995年12月、チャイヨー・プロダクションは「1976年から日本以外で『ウルトラQ』から『ウルトラマンタロウ』までのウルトラシリーズ6作品および『ジャンボーグA』の計7作品と、そのキャラクターを商用目的で利用する権利を持つ」と主張し始めた。

日本の裁判では2004年時点でチャイヨーの主張が認められるも、タイ国では2008年時点で上記の7作品と『ジャンボーグA&ジャイアント』と『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』の計9作品の著作権は否定された。

チャイヨーは2008年12月24日に上記の9作品の海外利用権を日本のユーエム社(上松盛明社長)に譲渡しており、訴訟もそちらに受け継がれていた。

ただし、1998年にチャイヨープロからバンダイへ利用権行使の権利が売却されていたことが2011年に発覚している。

裁判の結果、2020年時点においてユーエム社は中華人民共和国およびアメリカ合衆国における海外利用権については主張を実質的に取り下げており、円谷プロ側はこれをもって全面勝訴と判断している。

🟣ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団 – 日本語版 (復興)

🟣ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団より。その1「ハヌマーン復活」

🟣ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団より。その4「ハヌマーンとウルトラ6兄弟の怪獣虐待」

🟣VHS

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