AI時代の英語講師の役割は? 差別化はどうする?

2020/9/18

■AI時代の学習環境:

英語や中国語の発音練習としてiPhoneのSiriの設定を英語、中国語に変換して会話ができるか試してみた。

英語は、アメリカ英語、イギリス英語、インド英語、シンガポール英語、オーストラリア英語などが選択できる。

中国語は、北京語、台湾語、広東語などが選択できる。

また、音声も男性と女性の声が選択できる。

この外国語でのSiriとのやりとりは、自分の発音が通じるかどうかのひとつの判断材料になる。

加えて簡単な会話練習にもなる。

世の中には、言語習得用のアプリも選ぶのに苦労するほど多くなってきた。

英文法、単語、英文読解などは、説明が分かりやすく実績のある講師の動画を見ればいつでも、どこでもスマホがあれば独学できる。

TOEICの資格勉強はスタディ・サプリひとつで事足りる。

このようなAIがどんどん進化していく学習環境の中、今後の英語講師の役割、そして差別化が問われる。

■これからの英語講師の役割、差別化は?

英会話学校は、安価で時間的に融通の利きやすいオンライン英会話が主流になりつつある。コロナの影響からオンライン化への速度に拍車がかかっている。

初心者は別として、ある程度の会話ができる人であれば、英会話のレベルをあげるには、例えば、FacebookなどのSNSを通して知り合ったネイティブとスカイプやLineを通してLanguage Exchangeをすれば、無料で学べる。そのようなプラットフォームも増えている。

受験予備校や資格学校も、実績のある有名講師の授業動画をネット配信すれば、学習者はいつでも、どこでも、自分のペースで授業を受けることができる。


また、ある著名な予備校講師の方は有名予備校を辞職し、授業動画をYoutubeを通して無料で配信している。


教育の無償化は、家庭環境に起因する教育機会の不平等を是正することにつながる。日本内での格差だけでなく、国家間の教育レベルの格差是正にもつながる。インターネット、AIの発達で国家間の教育レベルの格差は加速度的に是正されつつある。


子供は生まれてくるとき親や国を選べるわけではないから、せめて社会人になる前の教育機会だけは平等に与えるべきだ! 生まれた国や親の年収によって自分が受けることができる教育レベルが決まってしまい、就職先やそのひとの一生にまで多大な影響を与えてしまう現状は変えなければならない。社会に出る前の教育機会は平等に与え、社会人になってからの本人の頑張りや才能で勝負できる世の中てあるべきだと思う。

話しがそれてしまったが、外国語の翻訳に目を向ければ、Googleの自動翻訳機能は以前と比べて性能が上がった。口語文や日本語の助詞の使い方にはまだ難があるが、大学の論文でも翻訳できるレベルになってきた。

また語学学習用アプリや外国語の交流プラットフォームも今後、ますます進化していくだろう。

このようなAIがどんどん進化していく時代において、人に何かを教えるという観点で見た場合、英語講師の役割はどうなるのか? そして今後の生き残りをかけた差別化はどうすればよいのか?

まず、AIが出来ないことは何なのか?

例えば、

人間はどう生きるべきなのかなどの哲学を教えることはできない。

芸術のように何かクリエイティブなものを創造すること

0から1を生み出すこと

心の動きを読むこと、空気を読むこと

楽器の演奏や柔道を習うなど実技を伴うこと 

これらはAIでは出来ないことだ。

このようなAIでは実現できないところに、英語講師としての今後の役割や差別化のヒントが隠されているのだろう。

たとえば、

学習につまずいた時やスランプの時など生徒の雰囲気や心の状態を考慮したアドバイス

人間が持つ情熱や暖かさが伝わる教え方

生徒の精神状態を理解して、やる気、モチベーションを上げていけるコーチ的な役割

こんな人になりたいという人間的魅力、カリスマ性、理想となる人間性をもった人物

プロジェクト・マネジメント力やリーダーシップ

場の雰囲気、空気を読み、臨機応変に対応しながら、聞き手の心の琴線に触れることができるプレゼンテーション力

などなど

このようなAIができないことの中に英語講師としての役割があり、差別化していくヒントがあるように思える。生徒側の立場にたてば、有名講師の授業動画や語学アプリ、外国語交流プラットフォームでは得られない別の何か光る個性と人間的魅力がないとわざわざ時間を割き、お金を支払ってまで、その講師から教えてもらう理由と必要性がない。

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