せとうち島旅ガイド (瀬戸芸公式ツアーガイド) – 2019.9.1. 香川県仲多度郡 多度津町の 高見島にて山田愛さんの作品「内在するモノたちへ」の制作に参加 –

2019/9/1 (日)

●香川県仲多度郡多度津町にある高見島にて、瀬戸内国際芸術祭2019 秋会期に展開される山田愛さんの「内在するモノたちへ」という作品制作のサポートへ行ってきた。

内在するモノたち イメージ



内在するモノたちへ






●昨夜の天気予報では雨だったが、作業当日は雨がパラつく程度で気温も高くなく過ごしやすい一日だった。今日の作業は上のイメージ図の中央部にある先が尖った塔のようなものの表面に石を下部から順に大、中、小、極小のサイズ別に貼り付けていき、同時に石と石の間の隙間を墨汁で色付けした砂で埋めていく作業をしてきた。

使用する石は、高見島で集めサイズ別に選別したもの。石を断熱材の発泡スチロールに貼っていくのだが、使うボンドは非常に強力なもので墓石を接着するのに使われるボンドとのこと。

この塔は、島の地中から噴き出す何かエネルギーやパワーのようなものかもしれないなぁと作業をしていて感じた。高見島には両墓制という習わしがあって、遺体を埋める墓とお参りする墓の2つの墓を作る。島の地中奥深くに眠るなにかが湧き出る様を表現しているのかもしれない。

●この作品は、目に見える自然と見えない内なるモノを体感するというコンセプトを持つとのこと。

作家の山田愛さんが、島を訪れた際に、地面の奥深くに眠る、目に見えない「内在するモノ」を感じた。両墓制もそのひとつ。島で体感したことを手掛かりに、島そのものに“内在するモノ”を、絵画と石によるインスタレーションで表現。庭から瀬戸内海が望める古民家の中には、外とはまるで異なる神秘的な空間が広がる。鑑賞者は、島の外側から島の内部へ、さらに自分自身の内部へと入るかのような体験をする。

●両墓制:

高見島には、両墓制が残っている。「埋め墓(うずめばか)」と「詣り墓」とに分けて墓を設ける風習。土葬が行われていたころの名残。

遺体を埋葬する「埋め墓」と霊魂を祭る「詣り墓」。一人に2つのお墓を作る両墓制という習わし。高見島には浦集落と浜集落にそれぞれある。島の方によって、大切に守られている高見島の暮らしの風景。

同じ塩飽諸島の志士島や佐柳島にも残されている。町指定文化財。




●高見島は、男はつらいよ 第46作 寅次郎の縁談 のロケ地であった。

男はつらいよ 第46作で寅さんが腰をかけていた場所。後ろの小屋がそのまま残っていた。



大聖寺 だいしょうじ は、現存していた。



松坂慶子さんが療養していた父の家は、取り壊され無くなっていたが、玄関の階段が、わずかに残っていた。島に詳しい方の話しでは、土地は非常に安いだろうとのこと。土地価格は、数千円かも⁇とのことだが確証はない。



大聖寺の鐘の下から見た前方の風景。前方には、松坂慶子さんが映画の中で療養していた家があった。




大聖寺から見た瀬戸内海